お口の病気

■新型コロナウイルスについて

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症ですが、以下に列挙しましたように最近ではだいぶ新型コロナウイルスの特徴というものが明らかになってまいりました。
また、最近ではワクチンの開発なども各国で盛んに行われるようになってきており、一刻も早く皆さんが安心して生活できる環境を取り戻せますことを願うばかりです。

・重症化する人、軽微な症状の人、無症状のまま経過する人などのパターンがあるが、すべて感染力をもっている。
・若年者は症状が比較的軽い症状で経過することが多い。
・高齢者でなおかつ基礎疾患をお持ちの方は重症化するリスクが高い。
・換気が悪い場所では感染のリスクが高い。
・多人数が密集して集まるようなところでは感染のリスクが高い。
・小児においては重症化するリスクは極めて低い。
・飛沫感染と接触感染が主な感染ルートであり、空気感染の可能性は極めて低い。
・クラスター感染が起こりやすい。
・5人が感染した場合、4人は人にうつすことはない。
・5人のうちの一人が何人かに2次感染を起こしている。
・人にうつすかうつさないかは感染した際のウイルス量によって決まるようである。
・他人へ二次感染を起こさせない感染者もいるということである。
・潜伏期が1日から12.5日程度ある(多くは5~6日)。
・平滑面に付着したウイルスの生存率は9日程度と長いらしい。
・消毒用アルコール(70~80%濃度)による消毒が有効である。
・0.05~0.1%次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。
・70度以上の温度で死滅する。
・紫外線にも弱い。

このように新型コロナウイルスの特徴というものがだいぶ明らかにはなってきているのですが、現在のところ確定的な治療法というものはなく対症療法にとどまっており、治療という意味においてはいまだ不明といった感のぬぐえない状況であることは間違えありません。
そのような状況の中におきましても、何とか感染を避け、拡散を防止しなければならないわけですが、ドラッグストアに行ってみてもアルコール消毒薬もマスクも完売状態が続いており手に入れることは非常に困難です。

そこで、現在のそのような状況下におきましても、私たちが個人でできうる最大限の予防策について私なりに考え、以下に列挙してみましたので、参考になさっていただければ幸いに思います。

・人が大勢集まるような換気の悪い密閉空間(カラオケ、クラブ、ライブハウス、雀荘、映画館など)にはどうしてもという必要性がない限りは行かない。

・同一の人物が同一の人物と近接した状態で長時間存在するような場所(野球場などの競技場、体育館の観客席など)にはどうしてもという必要性がない限りは行かない。

・短時間であっても運動をすることにより呼吸が荒くなるような場所(フィットネスクラブ、道場、ジムなど)においては、ウイルスの飛散が起こりやすい上、同じ運動器具を多数の人が使用するなど接触感染のリスクもかなり高く、さらには汗などを拭くために、その手で顔や目などを触ってしまう機会も多くあり、感染のリスクはどうしても高くなります。したがって、今行う必要性がない限りは行かない。

・何らかの原因で付着したウイルスが死滅する機会が全くないため、生ものは極力口にしない。

・マスクは人に感染さないためにはある程度有効ですが、特殊なマスクを除いては自分への感染防止には原則あまり有効ではありません。しかし、侵入してくるウイルス量を極力減らすという意味においては無効ではありませんので、感染する機会がありそうだと考えられる場合には使用すべきと考えております。

・アルコール消毒液が欠品中ですので、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)による消毒を行ってください。厚労省では0.05%の次亜塩素酸ナトリウムの消毒を推奨しております。ページ下段に花王の案内を貼っておきます。

・衣類の消毒は紫外線に当たるように晴れている日に外干しを行うか、乾燥機にかけて熱による消毒を行う他、アイロンをかけるというのも効果的です。

・手の平と手の甲を使い分けてください。手の平は清潔、甲は不潔として分けます。何かに触る時(ドアを開ける、ボタンを押すなど)は極力外側で触るようにし、手の平はできるだけ清潔に維持できるよう意識しましょう。どうしても手の平を使わなければならないときはハンカチなどを介して触るようにしましょう。

・外出から帰宅されたら、家に入る前に手を良く洗いましょう。外で手を洗えない場合には、家に入ってすぐしっかりと手を洗い、そのあとで触った玄関のドアノブなどを消毒しましょう。

・消毒は、テレビなどのリモコン、スマホ、椅子の背もたれ、照明のスイッチ、ドアノブ、ハンドバッグやカバンの持ち手など生活上必ず触れるようなものを意識して行うようにしましょう。

以上が私が考えるお家でもできる予防策ですが、当院におきましても患者様お一人ごとにユニットや周辺機器は必ず次亜塩素酸ナトリウムまたは消毒用アルコールで消毒を行うほか、十分な換気を常に行うようにしております。
また、その他のタービンなどの器具におきましても、滅菌できるものに関しましては、すべて完全滅菌を施しており、安心して受診ができる体制を整えております。

次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方

新型コロナウイルスの致死率について
新型コロナウイルスの致死率については各国で様々なデータがでておりますが、統一した見解は今のところ出ておりません。一般に致死率を算定するためには死亡者数を感染者数で割ったのち100をかけて%表示にすればよいわけですが、この計算式の母数である感染者数がそもそもはっきりとわかっておりませんので、明確な致死率というものが出せないものと考えられます。これは、おそらく、国によってPCR検査の対象とするべき人の数が大きく異なっているためであり、すべての感染者数を完全に把握するということができていないことが大きな原因であると思われます。
すなわち、新型コロナウイルスの確定診断として行われているPCR検査をどんどん行って、感染者を見つければ見つけるほど、母数が大きくなりますので、致死率は小さくなっていきますし、PCR検査をしぼればしぼるほど母数が小さくなりますので、致死率はどんどん増えていってしまうのです。
また、致死率は各年齢層によっても大きく異なり、高齢者においてのみ死亡率が極端に高いのです。そのため日本のような超高齢化社会といわれるような国では致死率は比較的高く算出されますが、そうでない国では低く算出されてしまうといった背景もあります。
こういったことが国によって致死率にばらつきがでてしまう理由だと考えられます。