■女性特有の病気とライフステージについて
●女性の4つのライフステージ
女性の健康には女性ホルモンが深く関わっています。女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、女性のライフステージによって分泌量が多くなったり少なくなったりするのですが、この変化にともなっておこりやすい女性特有の病気というものがあります。
それらの病気について予め知っておくことで、予防に役立てることができます。
■ 女性の4つのライフステージ
①思春期・・・・エストロゲンの分泌量が増える時期
②性成熟期・・・エストロゲンの分泌が盛んな時期
③更年期・・・・エストロゲンの分泌量が急激に減少する時期
④老年期・・・・エストロゲンの分泌が乏しくなる時期
持田製薬より引用
①思春期 エストロゲンの分泌量が増える時期
初めての月経(初経)の後、子宮や卵巣が成熟するのにともなってエストロゲンの分泌量が増えます。女性の体は、思春期からしだいに妊娠や出産に向けて準備が整います。
卵巣の機能が完成するまでは月経不順、月経痛などの月経トラブルがあらわれます。月経は女性の健康を知るバロメーターといえます。
②性成熟期 エストロゲンの分泌が盛んな時期
エストロゲンの分泌が盛んなこの時期は、ちょっとしたエストロゲンの変化が体に影響し、月経トラブルが多くなってきます。これまで規則正しかった月経の周期が乱れる(月経不順)など、体は何らかのサインを出しているのかもしれません。不調を放置しないで早めにケアをしましょう。
③更年期 エストロゲンの分泌量が急激に減少する時期
エストロゲンの分泌量が急激に減っていき月経が永久に停止することを閉経といいますが、更年期とは、閉経を挟んだ10年間を指し、体のホルモン環境が激変し、自律神経機能が乱れ、のぼせ、疲れやすい、イライラするといった心身ともに体調を崩しやすい(更年期症状)時期といえます。
症状には個人差がありますが、日常生活に支障がでるほどの症状があらわれることがあり、この場合は更年期障害とよびます。
また、エストロゲンは皮膚や粘膜の潤いを保ち、骨の代謝を活発にする役割も担っている他、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やしたり、血管を拡げる作用もあり、動脈硬化を起こりにくくするといった役割がありますが、このエストロゲンが減少すれば、当然これまでのようにエストロゲンの恩恵にあずかれなくなり、脂質異常症や動脈硬化、骨粗しょう症などが起こってくる可能性が高まります。
④老年期 エストロゲンの分泌が乏しくなる時期
寿命が大幅に延び、エストロゲンの恩恵を受けられないこの期間が長くなりました。これまで以上に、エストロゲンで維持していたお肌、骨、血管などの病気には気をつけるようにしましょう。また、エストロゲンの減少によりうつ症状などがあらわれることもあります。
このように女性の体はエストロゲンの量によって様々な影響を受けますが、このエストロゲンの減少によって起きる骨粗しょう症という病気と歯周病の間には大きな因果関係があるのです。
歯周病という病気は細菌の感染によって歯を支えている歯の周りの骨が溶かされてしまうことにより、歯がぐらぐらになって抜け落ちてしまう病気なのですが、これに輪をかけるようにエストロゲンの減少によって骨粗しょう症という病気が進めば、歯周病にとってはとても好都合な状況であり、歯周病が加速的に進行してしまうようになるということは容易に想像ができます。
したがって、更年期になる前に少しでもお口の状態を良くしておくことがとても大切になるのです。